福島県伊達市の泌尿器科・内科 大泉ほんだクリニック

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福島県伊達市の泌尿器科・内科

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第9回 腹圧性尿失禁の診断と治療

今回は腹圧性尿失禁の診断と治療について書きます。

まず、診断ですが、問診が重要です。尿失禁を訴えてこられる患者さんは多いのですが、切迫性なのか?腹圧性なのか?はたまた混合性・溢流性なのかを問診で聞き分けなければなりません。そのため時間をかけて問診します。次に溢流性を否定することおよび切迫性の合併や今後の治療のため、尿流測定・残尿測定で尿の勢いや残尿の有無をcheckします。

次に尿がたまった状態で、咳やくしゃみをしてもらい尿がもれるかをみるストレステストを行ないます。通常は内診台にのってもらい、尿道のぐらつきや、膀胱脱・直腸の合併の有無を見るときに行ないます。陽性の場合は高度の腹圧性尿失禁の可能性があります。

また、パッドテストといってパッドをしてもらい、1時間の間に咳やくしゃみ階段の上り下りなど腹圧のかかる行為をしてもらって、その後パッドの重量を測り尿の漏れを確認する検査も行ないます。(家でパッドを1日中つけてもらい、次の日にパッドの重量を測り、漏れを確認する方法もあります。)

次に治療ですが、大きく分けて、下部尿路リハビリ・薬物療法・手術に分けられます。

下部尿路のリハビリですが、骨盤底筋を鍛える体操があります。(骨盤底筋体操)これは筋力を強化し、ハンモックおよび尿道の支えをよくして、腹圧がかかったときに尿失禁を防止する方法です。簡便で実際効果はありますが、実際骨盤底筋を意識して締めたり緩めたりすることができる人は少なく、またリハビリなので継続しなければならず途中で脱落してしまう場合が多いようです。

骨盤底筋を鍛える方法に、干渉低周波治療があります。これは低周波を骨盤に20分程度かけることにより骨盤底筋を鍛える方法です。効果は6割で、副作用もなく優れた方法です。保険も適応になっています。ただ、やはり筋肉強化なので継続しなければ元に戻る場合が多いようです。(だいたい1-2週に1度の通院でOKです。)

この器械(ウロマスター)は当クリニックにも導入しています。これは伊達地区では初めてです。

次に薬物療法ですが、尿道の筋肉の緊張を高める、β刺激薬というものがありますが、あまり効果はないようです。リハビリで効果なく、手術を希望されない場合などに使います。

最後に手術療法ですが、近年非常に進歩し、低侵襲で効果のあるものが開発されました。

現在最も多く行なわれている手術は尿道スリング術といって、尿道を恥骨側に人工のテープでつる手術です。手術は局所麻酔でもでき、時間も30分から1時間ぐらいです。傷も恥骨の上にテープをだす約1cmのものが左右に2箇所と膣の粘膜を切開したものだけで、」ほとんど目立ちません。(TVT手術)最近ではテープを内股の方向にだす手術が行なわれるようになってきました。(TOT手術)その場合は傷はほとんどわかりません。この手術の成績は5年で再発していない可能性は約9割程度といわれています。合併症ですが、吊り上げすぎると尿の出方が悪くなる場合はあります。また膀胱の一部を損傷する場合がそれぞれ1割弱あります。TVT手術の場合では、非常にまれですが腸や血管の損傷が報告されています。しかし今まであった手術に比べるとずっと安全に行なわれています。院長もこの手術を福島医大時代に行なっておりました。もし、当クリニックに手術が必要な患者さんが来院されましたら、病診連携をしている病院にて、病院の先生と一緒に手術を行なっていきたいと考えております。

手術にはもうひとつ尿道内コラーゲン注入療法というものがあります。膀胱頚部に近い尿道に針を刺し、コラーゲンを注入し、尿道粘膜を膨隆させ、密着しやすくする方法です。

低侵襲で、局所麻酔ででき、場合によっては外来治療も可能ですが、入れたコラーゲンが数ヵ月後に吸収され再発する確率が5-6割あります。また入れるコラーゲンにアレルギー反応を起こす人が10人に1人いるといわれていますので、アレルギーテストをして陰性であったことの確認をしなければなりません。ただ傷はなく、何回も繰り返し施行することができますので、尿道スリングが行なえないような患者さんにはよい適応かもしれません。この手技は当クリニックではできませんので、やはり病診連携をしている病院にて、一緒に行なっていきたいと考えております。

腹圧性尿失禁は多くの方々が、悩んでいる疾患ですが、恥ずかしいため、また年のせいとあきらめているためか受診率は実際の患者数の1割以下とかなり低いようです。しかし今まで述べたようにいろいろな方法で治療することは可能ですので、一度クリニックに受診してください。次回は間質性膀胱炎について書きます。

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