福島県伊達市の泌尿器科・内科 大泉ほんだクリニック

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第8回 尿失禁について

今回は尿失禁についてお話します。尿失禁には大きく分けると以下の5つがあります

1) 切迫性尿失禁

2) 腹圧性尿失禁

3) 混合性尿失禁

4) 溢流性尿失禁

5) 機能性尿失禁

切迫性尿失禁とは、前回過活動膀胱のときにお話しました尿意切迫感(突然前ぶれもなく起こる、強い尿意で我慢がきかないこと)に続き、トイレに間に合わないで尿が漏れてしまうことです。

腹圧性尿失禁とは、咳やくしゃみなどおなかに力が入ったときに起きる尿失禁です。

混合性尿失禁とは切迫性と腹圧性を両方合併しているものを言います。

溢流性尿失禁は、尿がぜんぜんでなくなり、ダムのように膀胱にたまった状態で徐々に漏れることです。これは前立腺肥大症や神経因性膀胱などで見られます。

機能性尿失禁とは、尿意や排尿には問題ないのですが、体動が不自由なためトイレまで時間がかかるため、たどりつけずに、漏れてしまうことです。

この中で今回は腹圧性尿失禁についてお話します。

腹圧性尿失禁は、腹圧が上昇する行動で漏れる尿失禁で、一般的に女性がほとんどを占めます。

女性は骨盤内に尿道・膣・直腸が入り込み、骨盤底筋やさまざまな靭帯で支えられています。もう少し詳しく見ていきましょう。下のMRIと模式図は正常成人女性の骨盤のものですが、尿道は膣の上にあり、ハンモックのような構造物に乗っかっているように存在しています。また骨盤底筋は尿道や膣・直腸を取り囲んでいます。

通常腹圧がかかったとき、このハンモックを骨盤底筋がピーンとはり、また尿道を恥骨のほうに持ち上げるようにし、尿道を折り曲げ尿失禁を防止するようになっています。

出産のときにこのハンモックが伸ばされたり、ハンモックの固定が悪くなったり、骨盤底筋が損傷されたりし、また年齢と共に筋量が減少してくると、それらの支えが不十分になり尿失禁は起こるのです。下のMRIは腹圧性尿失禁患者の者ですが、尿道ののっているハンモックが恥骨方向に上がっておらず、また骨盤底筋も薄く尿道の支えが悪くなっています。

イメージ画像

ここまで詳しく書きましたが、女性のやはり出産が腹圧性尿失禁発生に十分関与しているのがわかったと思います。

実際出産経験の有無で尿失禁経験には差が見られます。

また出産回数や分娩2期(子宮口が全開大になってから赤ちゃんを娩出するまでのこと)の遷延、赤ちゃんの体重(3500g以上)などが腹圧性尿失禁になりやすい因子です。

実際は年のせいとあきらめたり、尿もれという羞恥心から多くの方は医師に相談できない、また家庭医・主治医に相談してもわからない場合が多いようです。当クリニックでは治療はもちろん、ホームページなどを通して過活動膀胱を啓蒙していきたいと考えております。

長くなりましたので、腹圧性尿失禁の診断と治療については次回お話します。

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